省エネ基準の話 その4「一次エネルギー消費量基準」

「一次エネルギー」とは、化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーで、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気・灯油・都市ガス等)を「二次エネルギー」といいます。建築物では二次エネルギーが多く使用されており、それぞれ異なる計量単位(kW、MJ等)で使用されています。それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位(GJ・ギガジュール)で求めることができるようになります。

H25年基準では、外皮性能(UA値・ηA値)の他に、「一次エネルギー消費量」の基準が加わりました。「一次エネルギー消費量基準」は、冷暖房設備・機械換気設備・照明設備・給湯設備(太陽熱利用給湯設備・コージェネレーション設備を含む)などのエネルギーと、太陽熱発電による再生可能エネルギーによる省エネ化を、当該住宅の一次エネルギー消費量(設計一次エネルギー消費量)と、基準となる住宅の一次エネルギー消費量(基準一次エネルギー消費量)を比較して評価します。

一戸の住宅で考えますと、「基準一次エネルギー消費量」は、省エネ地域区分、導入する設備ごとに基準値が定められ、その定められた数値の合計がその住宅の「基準一次エネルギー消費量」になり、導入した設備の実際の一次エネルギー消費量の合計(計算プログラム等で算定)が「設計一次エネルギー消費量」となります。

「基準一次エネルギー消費量」 ≧ 「設計一次エネルギー消費量」

になれば、H25年基準に適合となります。

また、低炭素住宅では、この「基準一次エネルギー消費量」よりさらに10%以上の削減が求められます。

つづく...。

下表は、「ファースの家」の標準仕様(外皮・換気設備含む)、延床面積約30坪、エアコン4kW、エコキュート、照明器具(LED・蛍光灯)、太陽光発電なしで計算した結果です。参考までに。

一次エネルギー消費量計算結果(グラフ)

一次エネルギー消費量計算結果(H25基準)

一次エネルギー消費量計算結果(低炭素)